令和3年2月13日(土)の午後2時から、多摩区役所で「令和2年度 多摩区町内会長・自治会長研修会」が開催されました。多摩区町会連合会では、住民組織のリーダーとして活躍する上で必要な知識や見識を養うと同時に、町内会・自治会及び地域相互の親睦と地域コミュニティの活性化促進を図ることを目的として研修会を開催しています。 今年度は、「これからの町内会・自治会運営を考える~多くの人に参加してもらうには~」をテーマに、担い手不足や世代間交流に向けた取組、複数の自治会や地域の団体と連携した取組を聞き、その後、多摩区コミュニティ活性化促進委員会の委員も交えて意見交換を行いました。
■担い手不足や世代間交流に向けた取組:横浜市泉区の白百合自治会青年会
まず、横浜市泉区の白百合自治会青年会の相馬英樹さんからお話いただきました。白百合台自治会は、昭和36年に発足し、約800世帯が所属しています。輪番制で役員を決めており、相馬さんが役員になり、たまたま自治会長になったそうです。会長の時に行事運営や活動が難しかった経験から、若年・中間層を中心に声をかけて、平成24年に「白百合台自治会青年団」、通称:Fellows(仲間、同士の意)を結成しました。結成当初14名だった団員は、現在47名、女性団員も13名参加しているそうです。青年団の活動は、自治会夏祭りの企画・運営、連合自治会体育祭の設営、毎月の広報紙の配布(班長宅まで)、防災訓練、防犯パトロールへの参加等、多岐にわたっています。
活動の効果は、祭りや行事を通して、地域の盛り上げ役として活動できたことや、世代間交流ができたこと、担い手不足を解消できたことだそうです。また、地域活動にいろいろな人を巻き込むコツは、活動する人たちが楽しく関わっていることや、「できる人ができる時に」をモットーに、無理のない範囲で行事運営の参加を呼び掛けることで、ハードルが下がり多くの人が参加できるようになると話していました。
■複数の自治会や地域の団体と連携した取組:宮前区稗原ゆ~ず連絡会
次に、宮前区稗原ゆ~ず連絡会の川田和子さんからお話いただきました。地元の鷲ヶ峰西住宅自治会は、平成24年から1年半、川崎市の「安心生活創造事業」のモデル地区となり、高齢者の見守りなどを行いました。この経験を地域に広げたいと考え、周辺の7つの自治会と8団体に呼びかけ、平成27年6月に会を発足させたそうです。
健康講座や認知症講座、健康づくり教室などを、地域の病院等と連携して開催しています。また、各自治会のお祭りに出張カフェとして参加するほか、男の料理教室やコンサートなども行っています。
平成29年度には、小さいお子さんをもつママたちが手作りをするグループ「ゆ~ずツクルブ」を結成しました。
また、学校で給食を食べ授業を受ける「大人の学校」や「ゆ~ず劇団」の結成、小学校ので子どもと大人の「ミニ文化祭」の開催等、様々な企画を実施しています。
これらの活動は、15団体のうち、小学校等を除いた12団体からの負担金(年1万円)で運営していますが、地域の要である自治会が中心になっているからこそ、活動が広がっていると実感しているそうです。
■多摩区コミュニティ活性化促進委員会の委員との意見交換
後半の意見交換では主に以下のような質問・意見交換がありました。
倉本委員長:自分たちの枠を超えて協力しあっていることがすばらしい。組織づくりや予算はどうしているのか?
相馬さん:徐々に仲間を増や、組織にすることになった。最初は自腹だったが、今は区がサポートしてくれている。
川田さん:公共施設をできるだけ使って、お金をかけないように工夫している。
櫻井委員:若手が町会・自治会の活動に入っていることは参考になった。声掛けのテクニックを教えてほしい。
相馬さん:気軽なつきあいから。FellowsのTシャツをプレゼントすると仲間に入ってもらいやすい。
近藤委員:Fellowsの年代別の割合は?
相馬さん:20代が1割、30代が1割、40代が5割、50代が3〜4割、その他60代も若干いる。
近藤委員:ゆ〜ずではどういう時に達成感を感じるか?また、ゆ~ずツクルブとの関係は?
川田さん:何かの課題を解決した時に嬉しく感じる。ゆ~ずツクルブとの関係は、基本は若者に任せていて、困った時にサポートしている。
望月委員:ゆ〜ずは、老人会や社会福祉協議会とどのように関わっているのか?
川田さん:ゆ〜ずで出前カフェをしているが、社協や老人会でも同様のことをやっていて、カフェ連絡会で情報共有している。
コロナ渦で地域での取組が難しい中での研修会でしたが、事例報告をされたお二人やコミュニティ活性化促進委員会のおかげで充実した内容になりました。ご登壇、参加された皆様、ありがとうございました。