映画『ホームカミング』 あらすじ
大手商社に勤務し、仕事一筋で生きてきた鴇田和昭(高田純次)は、定年後は家族と共に第二の人生を有意義に生きようと張り切っていた。しかし定年退職の当日、すでに独立している息子の和弘(青山草太)に、結婚しても実家の2世帯住宅には“帰らない”と宣言されてしまう。落ち込む鴇田を妻の摩智(高橋惠子)は“明日は明日の風が吹く”と明るく慰めるのだった。翌日、早速ジョギングを始めた鴇田は、定年5年先輩の佐藤(秋野太作)、自治会長の大島(竜雷太)、スケッチが趣味の石田(黒部進)といったリタイア組の老人たちと出会う。そして、かつて夢と希望に溢れた理想の町「虹の丘タウン」が平均年齢68歳の老人街と化していることを知る。しかも、カルチャー教室で忙しい摩智に代わって出席した自治会では、町で唯一のイベントである虹の丘祭りも中止になろうとしていた。自治会役員の口車に乗せられた鴇田は、お祭りの実行委員を引き受けてしまった。そんな時、無人だった虹の丘タウンの駐在所に新しく警察官が赴任するという知らせが舞い込んだ。しかもやって来たのは若くて可愛い婦人警官の花森美咲(麗奈)で、老人たちは「警察花子」と愛称をつけ興味津々。実は、花子は虹の丘タウンで育ち、アメリカに留学して、帰ってきたのだった。虹の丘タウンに思い入れのある花子は、自治会にも積極的に参加し、お祭りのしきりを業者に任せようという発言に対して、自分たちの手で実現しようと提案する。鴇田も思わず花子に賛成して、自分たちで思い出に残るお祭りにしたいと発言していた。翌日、白熱した自治会の余韻とお祭りへの希望に浸っている鴇田たちの元に、石田が町で不穏な動きがあると知らせにくる。お祭り反対派の村崎家に電気工事の大型ワンボックスカーが来て、5人で機材を運んだが、帰りは運転の1人だけしか乗っていなかったという。しかも、その後チラシを配っていた女性も辺りを伺うように村崎家に入って行った。休日のはずの花子も熱心にパトロールしている。村崎家に集まっている人々が、刑事だと気付いた鴇田は、村崎家の裕宇君が誘拐されたと確信する。居ても立ってもいられなくなった鴇田たちは独自に捜査を開始した。果たして、裕宇君は無事なのか?そして、花子と鴇田たちは虹の丘祭りを自分たちで開催することが出来るのか!?